1.日本のワシントン条約への対応
1980年日本政府は絶滅の恐れのある野生動物の種の国際取引に関する条約(ワシントン条約)を批准しました。しかしながらその時点では、鼈甲(べっ甲)製品の原材料である「タイマイ」については「留保」の措置を取り、同時に年間30トンという自主的な輸入割当量制限を実施しました。
その後、1991年6月の日米交渉において、日本政府は輸入をその後1992年12月までとすることを決め、1994年7月に留保を撤回し、以来鼈甲(べっ甲)の国際取引を完全に停止しています。
2.鼈甲(べっ甲)材料の管理
1992年末までに輸入された鼈甲(べっ甲)の在庫は、その全てが製造業者により保有されています。この在庫は全て、背甲などに分割されあるいはさらに切断された状態になっています。これらの在庫は、製造業者間のみ流通しており、その売買について各業者は鼈甲(べっ甲)の「国際取引管理制度」に基づき、以下の義務を負っています。
- 業の届出義務(氏名・住所・譲渡施設の名称/所在地を届け出る)
- 個々の取引の際に、鼈甲(べっ甲)の入手先を譲渡人から聴取する義務
- 取引台帳に取引経過を記録し保存する義務
尚、この管理制度には最終製品の譲渡を行う業者が対象とされていないことから、上記規制の対象は製造業者に限定されることになります。製造業者は、東京・長崎・大阪の3地域に集中しています。
ワシントン条約と国内販売について
「絶滅の恐れのある野生動植物の種の国際取引に関する条約(ワシントン条約)」は国際取引を規制するものであり、国内流通を規制する「絶滅の恐れのある野生動植物の種の保存に関する法律」でも、鼈甲(べっ甲)製品の国内における譲渡等の規制の対象とされておりません。
社団法人日本べっ甲協会並びに東京鼈甲組合連合会では、国や都の援助を得てワシントン条約の理念である「持続可能な利用」をめざし、沖縄・名古屋の水族館や石垣島などで鼈甲(べっ甲)の材料となるタイマイの産卵・孵化・飼育の調査を進めております。また、永年にわたり培われてきた貴重な伝統技術の保存・伝承をはかるべく努力を続けてまいります。
これまで人類は長い間いつも自然と共に生き、自然の恩恵を享受して生きてきました。これからも、これまで以上に自然との共存を希求し、「持続可能な利用」の考え方に基づく「保護と利用の調和」が必要です。
